ハタチの時の話。

口では何度も誰かに話したことはあるんだけど。
どうも文章にするには抵抗があったのです。
でもあれから10ん年経ってるし、その後何もないので、大丈夫かな。

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大学時代のサークルで夏のキャンプに行ったんです。
当時アウトドアブームだったこともあって、立ち上げたサークルはこの地区最大級にまで膨れ上がり、このキャンプの参加者もたしか150人くらいだったかと。

そのくらいのお年頃の男女が夏のキャンプの夜にすることと言ったら・・・



そこのヒト。
間違ってますよｗｗｗ


流し場に米一粒でも残っていようなら次の日の朝飯抜き、ってなくらい真面目に指導してましたからｗ



そう。
き・も・だ・め・し

当時の自分は怖いものと言ったら女性くらいで（マジでｗ）、霊や宇宙人なんか余裕で勝てると思ってたんで（信じてはいたんだな、今思うとｗ）、肝だめしくらいどってことなかったんです。

この日までは。



何しろ大所帯なんで、男女ペアで、というわけにもいかず、５対５くらいのグループで湖一周というコースだったんですが、サークルのチーフスタッフという立場だったもので、みんなからのオダテに乗ってしまい、自分だけ最後に一人で、ということに。。。

いろいろと「仕込み」をしてあるのは知ってるんですが、中身は他のスタッフ任せだったので一切知らず。
まぁ、怖いもの知らずですから、懐中電灯もなしで真っ暗闇の湖のほとりを鼻歌交じりで歩いていたわけです。

すると、遠くの茂みにぼんやりと明るくなっているところを見つけました。
なるほど、あそこに「仕込み」のスタッフがいるわけね～・・・んじゃ、背後から逆におどかしてやろうか♪
…と、かなり遠くから山側の方の茂みに回り込み、明りの背後にまわれるようにがさごそっと進んで行きました。


少し近づくと、お経が聞こえてきました。
は、は～ん。備品にラジカセを用意しろ、と言ってたのはこれのためかｗ
はっきりと明りが見えるくらいまで近づくと、こちらに気付いていないスタッフは案の定ラジカセの後ろにしゃがんでます。
さて、どうやって驚かすかな。。。と考えてたその瞬間、その人は振り返りました。


女性？

スタッフはみんな男性です。






目だけを覚えています。「彼女」の。



目と目が合った瞬間、「それ」は消えました。

あたりは暗闇。
明りなどどこにもなく、ただラジカセのパイロットランプの赤色がぽつんと光り、お経のテープだけがオートリバースで延々と流れ。。。


何が起こったかわからない。
でも、沸き起こったのは疑問や困惑ではなく、恐怖。
怖いもの知らず（だと思ってるヤツ）を恐怖が支配すると、それはもう滑稽でしかなく。


どうやってみんなの元まで帰ったのかまったく覚えてないのですが、汗だくで賢明に今起こったことを説明しても、誰も相手にしない。
そりゃそうだｗ　あんなに強がってたヤツがｗｗｗ　まさに滑稽ｗ

とにかく残りの２泊を、運営スタッフとしての責任感からなんとか過ごし、ウチについたときにはクタクタで。
泥のように眠りにつき。。。


ええ。もちろんお決まりの夢を見て。あの「目」にずっと見つめられて。。。


うんうんとうなされながらも疲れのために目覚めることはなかったのです。が・・・
がっしゃぁんっ、とガラスの割れる音がして飛び起きました。

当時まぁいろいろと稼いでましたもので、ひとりで３ＤＫに住んでたわけですが、寝室の隣の部屋のガラスが割れたような。。。
恐る恐る隣の部屋を覗くと。

ばしーんばしーーんばしーーーーん

書棚のガラス扉が目の前で一枚ずつはじけ飛んでます。
もうね、こうなると恐怖もへったくれもないですわｗ
立ち尽くしていたら今度は中の本（ええ、もちろん、マンガですｗ）が、だだだだーーーっと飛び出してくる。


逃げました。
携帯なんてないですから、連れのウチまで走りました。
フルチンでｗ
当時から寝るときはＴシャツにノーパンですｗ　そう、昔からナルで変態ですｗｗｗ
でも、足の裏は踏んだガラスでずたずたでした。

深夜にもかかわらず、温かく迎えてパンツを貸してくれた親友（パンツを共有したら親友だろｗｗｗ）のウチに一晩泊まり、翌朝自宅に戻ると全部の部屋の全てのガラスが吹き飛んでいて、大家さんが困った顔で立っていました。

窓ガラスは真ん中の部屋だけ、外から中へ吹き飛んでいて、そのほかの部屋は全部中から外へ飛んでます。
ガス爆発とかじゃないの？と怪訝そうな大家さんを、親友がうまくかわしてくれて、大勢の連れを呼んで後かたづけ。大家さんに修理の段取りをつけてくれ、段ボールとゴミ袋で風雨だけは避けられるように処置してくれました。

さすがにそこで寝起きはできないので、実家（隣の市）に帰り、まぁ一応、全部説明したわけです、親に。
もちろんウチの豪快なオヤジは、いつものようにグハグハと嗤うだけで、「ちんこのちいさいやつだ」とまで言われ、なまら図星なだけにｗむかっ腹をたてたおかげで、少しは恐怖が和らいだのですが。





割れました。その夜。
実家のガラス全部。

食器棚の扉も、洗面所の鏡も、妹の鏡台も。
ガラス皿も透明のものだけは全部。



さすがにオフクロも泣き叫びだしてしまったので、オフクロにはでれでれのオヤジですから、何もかも最初から信じていたかのような顔をして、家族を集め、朝まで身を寄せ合って過ごしました。

翌日、仕事を休んだオヤジと例の湖まで行っていろいろ聞き回りましたが、何も怪しい話は聞けず。
とりあえず、今ガラス直して今夜も割られたんじゃタマラン、と言うのがオヤジの言い分で、なんでもやってみようということで、お寺さんに相談。
そのご住職自身はそういうことには不慣れだったのですが、「専門家」という方を紹介してもらい（坊さんでも何でもない普通のヒトｗ　今考えると何の専門家だったのだろうか。。。）、なんだかいろいろやっていただきました。

その方が言うにはどうやら動物の低級霊とかなんとかで、怨念とかではないよ、とのことなので、まぁよかった、と胸をなでおろし、その日は家族でホテルに泊まりました。

ガラスは割れませんでした。



一週間ほどたって、自分の自宅のほうの修理も終わったので、あまりいい気分ではなかったけど、とりあえず実家を出ました。
自宅の駐輪場にバイクを止めて、郵便受けを確認しようと手を伸ばしてふたを開けました。







郵便受けの中から、あの「目」がこっちを見ていました。







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この話はここで終わりです。
もうその家には一歩も入ることなく、しばらく実家で過ごした後、どうしても実験などで徹夜が多いため、また大学の近くに部屋を借りました。
自分にはそれ以来、何も起こってません。
ただ、あの家はそれから一年もしないうちに建て替えられていました。
詳しい話は怖いので聞いてません。
っていうか、書いてて思い出してめちゃ怖いんですがｗ
エヌ氏にそそのかされたぁｗｗｗ


怖いもの知らずの若造は、怖いものだらけのおっちゃんになったというｗｗｗ